新興国株式は、ブラジルやロシア、中国、インドと言ったかつてBRICs(ブリックス)と呼ばれた国々からメキシコや南アフリカといった国など、先進国と比較して高い経済成長が期待されている国々を指します。
新興国株式は、その昔、もてはやされ、人気が高かったようですが、結果的には爆上がりせず、上がったり、下がったりを繰り返し、今はあまり人気のないものになっています。
とはいえ、投資家にとってはインドなどの成長性なども未だ目を見張るものはありますので人気はないものの、チェック対象にはなっているという状況です。
本記事では、新興国株式のメリット/デメリットや投資信託の銘柄、過去の値動き、今後どうなるのかを含めて解説していきます。
新興国株式の基礎知識
新興国株式はGDPや人口が増えている反面、カントリーリスクを伴う
一般的に先進国と比較して経済発展の遅く、今後、法整備等の各種条件が揃えば、高い成長が見込める諸国と考えられています。その代表格がBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)と言われています。
2000年当時、新興国の名目GDPのシェアは約20%(約2.7兆米ドル)で2015年には約40%(約9兆米ドル)、2020年には61%(11兆円)にまでなっています。
全世界の名目GDPにおける新興国・先進国の割合(PICTET/IMF/ブルームバーグのデータを参照)
よって、日に日に新興国の存在感は増していますが、新興国株式として捉えると全ての企業に投資出来るわけではないのでそこは注意が必要です。
名目GDPとは、GDPをその時の市場価格で評価したものになる。そういう意味で新興国は成長していることを実感する。
但し、怪しい企業も含め新興国には闇があるのでしょうね。
ちなみにGDPが上がる要因は人口増が大きいです。
新興国の人口は1990年では40億人でしたが2020年で65億人まで達しています。
(一方で先進国は30年間で2億人しか増えていません。)
全世界における新興国・先進国の人口割合(国連World Population Prospects 2019のデータを参照)
新興国の人口増が凄い!なお、先進国は相対的に人口が増えていないのがよく判る。
新興国はカントリーリスクと呼ばれる国のカルチャーや成熟度に依存して政治や法整備が追いつかず、経済不安定を及ぼす可能性もあります。
それにより市場の変動・浮き沈みが起こることが度々あるので注意が必要です。
人口増やGDPが増えても、法整備が行き届かず、又、政治介入で国営化みたいな感じで株式公開しなくなるとそもそも新興国株式として投資も不可能になる。難しいね。
過去の実績としては、ボラティリティが高いもののやや上向き
新興国株式の指数についてはMSCI Emerging Marketが一般的であり、以下の図の通りとなっています。
時期にも寄りますがボラティリティと呼ばれる価格変動の度合いが大きく、割とリスクの高い部類に属するものと思います。
引用元:投資対象地域ごとの株価指数の変化(ロイナビ)
GDP上昇で人口増なのに経済はやや不安定という事?政治や法整備が行き届かないと本当の意味での経済成長は出来ないのね。。。
各国の構成比率は70%以上がアジア諸国
eMAXIS Slime新興国株式という投資信託を例に取ると対象インデックスの国・地域別構成比率は以下の通りとなります。
現時点では、中国・台湾・韓国・インドのアジア諸国で70%以上を占めていますが、今後の市場の動向によっては比率に変化が生じてきます。
ベトナムが入っていないのが意外。インドはもっと伸びていきそう。中国はまさにチャイナリスクとして当局の影響を受けやすいので難しいね。
新興国株式にはどんな金融商品があるのか
以下に新興国株式の指数に連動した各種の金融銘柄を記載します。
eMAXIS slim新興国株式 | 楽天・新興国株式インデックス・ファンド | SBIインデックス新興国株式 | ニッセイ新興国株式 | |
委託会社 | 三菱UFJ国際投信 | 楽天投信投資顧問株式会社 | SBIアセットマネジメント |
ニッセイアセットマネジメント
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信託報酬率 | 0.1870%以下 | 0.232%程度 | 0.066%程度 | 0.2079%程度 |
純資産総額 | 743.5億円 | 23.26億円 | 119.2億円 | 30.82億円 |
引用元 | 交付目論見書(2022/1/26) | 交付目論見書(2021/10/15) | 交付目論見書(2022/2/11) | 交付目論見書(2021/8/21) |
信託報酬率の低さや純資産総額を考慮するとeMAXIS slimかSBIインデックスが良さそう。
NISAは取扱されてるケースが多いけど、iDeCoは取り扱い少ない
NISAでは、新興国株式に関する金融商品は選択出来るので少額でも入れておくレベルがお勧めと思います。
なお、iDeCoに関しては加入する証券会社によっては新興国株式自体がなかったりします。
余剰資金があり、若干、未来に向けて試したいという方は少額で投資するのはアリかもね。
新興国株式について思うこと
新興国株式は政治や法整備の影響をモロに受け、浮き沈みが過去の実績からも見受けられるので真のグローバル化で国自体が成長していくと他先進国同様に成長度は低いかもしれないが堅調な成長率になっていくようにも感じます。
なお、まだまだ発展途上ということで30年〜50年の長期的に見ると成長していくことは間違いないので投資視点だと国の成長まで待てるのか?が重要な観点と思います。
さすがに30年以上待てん、という方はあえて新興国株式は投資しないという選択もありだと感じます。
新興国株式をコアで投資する方はまずいないと思いますのでサテライトとしてライトに投資したい場合には面白い一手になり得る商品と思います。
ぜひ、ご検討をー。
以上
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