REITと聞いて、ピンと来る人は既に資産形成にかなり興味が高い人と思います。
REITは、Real Estate Investment Trustという事で不動産の投資信託を指します。
通常の賃貸アパートやマンションへの不動産投資は非常にハードルが高いですが、このREITは大きな初期投資をせずに投資信託として投資でき、不動産のオーナーとして利益を受け取る事もできるという特徴も持っています。
本記事では、REITの仕組みや魅力、メリット/デメリット、注意点、更に何を最低限知っておくべきなのか?を徹底解説します。
REITは複数の投資者を募って運営される投資信託
REIT(リート)とは、複数の投資者からお金を集め、そのお金で不動産投資をする投資手法となります。
一人当たり数万円から数十万円の投資額を集めて不動産経営で使います。皆からお金を集めるため、一人当たりの投資金額が少なくても不動産投資が出来ることから人気があります。
REITは不動産投資や資産運用に詳しくない方にもお勧めの投資法と言えるね。
REITの良いところは手軽に低リスクで不動産投資が出来る
不動産投資を行おうとすると莫大なローンを抱えることになりますがREITでは株取引とほぼ同様の感覚で投資ができます。
主に以下の特長があります。
- 少額から投資できる
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複数の投資者からお金を集めて投資する仕組みなので、一人当たりの投資額は少なくて済みます。通常、不動産投資をする場合には数千万円から数億円といった多額の資金が必要になります。しかしREITの場合は、数万円から十万円程度の資金があれば簡単に始められます。
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- 銀行に預けた定期預金よりも利回りが高め
- 銀行の定期預金などに比べると、利回りが高め。
- REITでは利回りが3~4%の商品もあります。
- 通常の不動産投資よりも分散投資できる
- 不動産投資をする場合に数千万円から数億円といったように1つの物件にかける投資額が大きくなり、集中投資になりますが、REITの場合は、複数人で出資し、複数の不動産に投資するのでリスクを分散できます。
- インフレ対策になる
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物価が上昇することによってお金の価値が下がってしまうことをインフレと呼びますがが、不動産投資はお金ではなく、不動産に投資しますのでインフレに強いと一般的に言われています。
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- NISAが使える
- NISAは非課税ですから、税金を引かれることがなく、お得です。
不動産に興味のある方はJ-REITと呼ばれる日本の不動産の投資信託をまずは購入してみるのも良いね💓
REITの不安要素は建物への価値が下がった際に暴落を避けれない
以下、REITを始める場合に理解しておかなければならない考慮すべき注意点となります。
- 倒産リスク
- 資金繰りに困って、投資法人が倒産する可能性があります。
- 株式投資と違ってREITの場合は、投資法人が倒産しても不動産そのものの価値がなくなる訳ではないので不動産を売却するなどすれば、投資していたお金が戻ってくることもあります。
- 上場廃止リスク
- 上場廃止になると価格が下がったり、売却できなくなる場合があります。
- 災害リスク
- 取り扱ってるものが不動産ですので地震や津波等の災害や火災等が発生して建物が損壊する可能性もあります。
- 建物に被害があれば予定していた収益が出なくなる可能性があります。
- 金利変動リスク
- 不動産運営のために投資ファンドが金融機関からお金を借りて運営している場合、金利上昇に伴って利息も多く掛かるようになり利益が減ってしまうこともあります。
- 物件の価値低下リスク
- 物件は買った後から価値が低下し始めます。
- 物件の価値は、景気の動向や建物の市場価値の変化の影響も受けます。場合によっては、予想以上に物件の価値が下がることもあります。
これらのデメリットは不動産投資そのものに共通した話なので、心得ておく必要がありますね。
REITの種類は
REITと一口に言っても以下の通り、複数の種類が存在します。
- 特化型
- 複合型
- 総合型
特化型は、1つの種類の物件に特化して投資する
種類については以下の通り。
- オフィスビル特化型
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オフィスビル特化型は景気が良いときは高い利回りが期待できます。しかし、景気が悪くなると、借り手が少なくなるため、利回りが下がりがちです。特に昨今だとコロナ影響に直撃しており、あまりお勧めできません。
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- 住宅特化型
- 住宅に特化しており、景気動向にそれほど左右されません。借り手も多くいるため安定して利益を上げることが出来ます。長期で安定した投資を考えている人にお勧め。
- 商業施設特化型
- 商業施設特化型は、景気が良いときは利益が上がりますが、景気が下がると利益は見込めません。景気の良い時ならお勧め。
- 物流施設特化型
- 物流施設とは物流に使われる施設のことであり、インターネットショッピングが普及した影響を受けて、物流施設の発展しています。
- 物流施設特化型は安定して収益を見込めますが物流施設は撤去される可能性もある為、建物がなくなったときのダメージが大きな投資先となります。
- ホテル特化型
- ホテル特化型は、リゾートホテルやビジネスホテルを運営しており、収益変動リスクが大きいと言われています。
- ホテルでは、利用者が多い場合は部屋の代金を高めに設定し、多くの利益を出しますが、客が来ないときは利益が下がります。また、シーズンによっても利益に変動が出ます。人気の動向によっても収益は変わります。そのため、固定賃料契約を結んでリスク軽減を図っているREITも多いようです。
- ホテル特化型はリスクがやや高めな投資先となります。
どの特化型のタイプを選ぶかでだいぶ変わりそう。
複合型は分散投資でリスク低減
複合型REITは、ホテル型と住宅型などの2つの用途の不動産の組み合わせで投資するものを指します。
2つの不動産を組み合わせるため、分散投資が出来てリスク低減が図れます。
異なるカテゴリーの不動産を選ぶことでリスク低減が図れるってことね。
総合型は更に分散投資でき、リスクを一層、低減
総合型REITとは、3種類以上の用途の不動産に投資します。
複合型REITが2種類なのに対して総合型は3種類以上の物件に分散投資を行うことから更に分散投資のリスク軽減効果が高まります。
お目当てのカテゴリーが2種類なら複合REIT、3種類あるなら統合REITが良いね。
お勧めのREIT銘柄は何か
REITに関して、コロナ影響の事も鑑みると今後、オフィスのあり方や、ホテルなど色々と業態変化が生じる可能性がある為、全般的にあまりお勧め出来ないとも思っています。
一方でそんな中でもどの金融商品が一押しか、という観点でJ-REITと海外REITでそれぞれ1つだけご紹介させて頂きます。
J-REITなら、ダイワJ‒REITオープン(毎月分配型)
ダイワJ‒REITオープン(毎月分配型)は、大和アセットマネジメント株式会社で運営されている金融商品となり、多くの証券会社で購入が可能です。
分配金再投資基準価額については以下の通り、なんとか右肩上がりを維持している状況です。
引用元:ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)交付目論見書(2021/12/9)
また、不動産としての構成比率は以下の通りとなり、オフィス不動産の比率が高い状況です。
引用元:ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)交付目論見書(2021/12/9)の構成比率
購入手数料や年で掛かる運用管理費用は以下の通りでS&P500などの投資信託と比較すると高めに設定されています。
購入手数料 | 2.2% (税抜2.0%) |
運用管理費用 | 年率0.792% (税抜0.72%) |
日本のオフィス不動産に関して、コロナ禍でテレワークが進むことで資産価値というものがどう影響してくるかがかなり気になるところです。
日本ではテレワークが大手企業を中心に進んでいるので大企業がオフィスビルを利用しなくなったら、影響が大きそう💔
海外REITなら、ニッセイ世界リートオープン(毎月決算型)
ニッセイ世界リートオープン(毎月決算型)は、ニッセイアセットマネジメント株式会社で運営されている金融商品となり、多くの証券会社で購入が可能です。
分配金再投資基準価額については以下の通り、なんとか右肩上がりを維持している状況です。
引用元:ニッセイ世界リートオープン(毎月決算型)交付目論見書(2022/01/26)
組入銘柄は以下の通りですが、基本的に統合REITであり、全てのカテゴリーに対してちょっとずつ投資がなされているような商品になっています。
引用元:ニッセイ世界リートオープン(毎月決算型)交付目論見書(2022/01/26)の組入比率
引用元:ニッセイ世界リートオープン(毎月決算型)交付目論見書(2022/01/26)の組入上位銘柄
購入手数料や年で掛かる運用管理費用は以下の通りでJ-REITと同様に他の投資信託と比較すると高めに設定されています。
購入手数料 | 3.3% (税抜3.0%) |
運用管理費用 | 年率1.65%程度 (税抜1.5%程度) |
こちらもコロナ禍でテレワークが進むことで資産価値というものがどう影響してくるかがかなり気になるところですが、統合REITの特長を活かして様々な領域での投資となっており、又、全世界で比率を調整している為、J-REITよりも手堅い商品だと思います。
REITに手を出すなら、J-REITではなく、全世界で投資した方が無難だと思うね。
REITについて思うこと
コロナ前はJ-REITも海外REITも希望に溢れる金融商品の1つであったと思うものの、コロナ影響によって、人々のライフスタイルに変化が生じることで打撃が発生する可能性が高い商品に変わってしまったように思います。
様子見をしながら、日本国内・海外の不動産状況を鑑みた投資が重要と思います。
また世界に限らず、米国REITも存在しているので米国の伸びを不動産としても期待するのであれば、そういった国を絞った投資もありだと思います。
個人的にはベトナムやインドなどの新興国のREITを注目していますが、まだまだ法整備や経済状況が安定していないこともあり、興味深く観察しています。
投資に当たっては、今後、不動産として伸びる国や業態をきちんと分析し、リスクを抑えた投資が非常に大切と感じます。
ぜひ、ご参考まで。
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